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勁草 (徳間文庫)
黒川 博行
徳間書店
2017-12-01



Tairaオススメ度:★★★★☆

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橋岡は「名簿屋」の高城に雇われていた。
名簿屋とはオレ詐欺の標的リストを作る裏稼業だ。
橋岡は被害者から金を受け取る「受け子」の手配も任されていた。
騙し取った金の大半は高城に入る仕組みで、銀行口座には金がうなっているのだ。
賭場で借金をつくった橋岡と矢代は高城に金の融通を迫るが…。
一方で府警特殊詐欺班の刑事たちも捜査に動き出していた。
最新犯罪の手口を描き尽くす問題作!
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久しぶりに黒川博行の本を読んだけど、やっぱり面白かった。

オレオレ詐欺の内容が具体的かつ詳細に記されていて、字面でみると、こんな詐欺には引っかからないよと思いたくなるけれど、実際にオレオレ詐欺の電話がかかってくると、焦りと不安と恐怖とで、そのストレスから早く解放されたいという思いに駆られ、やはり騙されるんだろうなと、悲しいけれどそんなことを思ってしまった。

オレオレ詐欺という凶悪な犯罪に手を染める短絡的で刹那的な二人と、その犯罪を地道に追う刑事二人が、少しずつ少しずつ迫ってくる物語の展開に、最初から最後まで全く飽きることなく読み進めることができた。

黒川博行の描くリアリティ溢れた犯罪小説は、現実社会に常に隣り合わせにあるということを強烈に突きつけられるので、どの物語も興味深く読むことができる。

とても面白い小説だった。